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佐賀県杵島郡白石町大字福吉2078-5
2021.10.08

近視について①(疫学:近視の子供が増えています!)

こんにちは! 三根正です。

子供の眼の健康で、いちばん多い問題が「遠くがみえにくくなる=近視」です。

日本は近視の方が、成人の60%を超える近視大国(世界平均の倍)で、近視が原因で起こる病気は失明原因の上位に入ります。

近視の研究はどんどん進歩していますが、インターネット上には医学的根拠が乏しい情報も多く混じっているため、原因や予防について、数回に分けて、分かりやすく解説していきたいと思います。


まずは、近視の子供たちが増えている事についてです。

日本では、学校保健統計調査において、視力の推移も調査されています。

グラフは、裸眼視力1.0未満の者の割合の推移を表していて、幼稚園~高等学校のどの年代でも近視の割合が増えています。小学校、中学校では特に増えており、

いまの親と子の世代間(約30年間)だけでも、10%程増えている事になります。

自分達が小学生の時と比べて、クラスの中で、授業中にメガネをかけている子供が数人ずつ増えているわけです。


また世界的にみても、大人の近視の割合は100年前の約2倍に増えており、生活スタイルの変化が、明らかに近視の進行に影響しています。

特にアジア人は遺伝的にも近視の割合が多いのですが、近視予防の取組みを行っているシンガポールや台湾では、2010年頃から10代における近視の割合が少しずつ下がってきています。

現代社会においても、対策をしっかりと頑張れば、近視進行をある程度抑えられる事が証明され始めています。


今どきの子供は、どうせ近視になっていくと、あきらめない事が大切です。

特に強度近視と呼ばれる(眼鏡やコンタクトレンズの度数が、-6Dより強い程)まで進行してしまうと、眼球の変形がとても強くなり、大人になってから様々な病気の原因となってしまいます。


子供の将来のためには、両親が近視の場合でも(私の子供も当てはまります)、近視進行の予防を頑張ることがとても大切だと考えています。