こんにちは! 三根正です。
近視予防について、手元を見る時の距離や、「3つの20」という休憩が重要ですと書いてきましたが、
もう一つ分かっているのが、日中に外で過ごす時間が近視予防に効果的だという事です。
2010年前後からシンガポール、台湾などで屋外活動の推奨が行われており、学校教育に十分な屋外活動時間を確保する事で、近視発症が約50%、近視進行が約35%抑制できるという報告が出てきています。
屋外活動が近視予防に役立つメカニズムについては、いくつかの説がありますが、網膜内で光刺激によってドーパミンが放出され、近視進行抑制に働いているという説が最も有力です。
光の強度に応じてドーパミンの放出量が増加するため、十分な明るさ(照度)が必要になります。
これまでの各国での調査で、予防に必要な照度は1000~3000Lux(ルクス)程度と分かっています。
ちなみに屋内外に分けて、目安の照度を示すと
教室やオフィス:300~500Lux、部屋の窓際:800Lux、
スーパーマーケット:1000Lux
ひなた:10000Lux以上(帽子をしても4000Lux以上)、日陰:1000~2000Lux
と、圧倒的に屋外が多いことが分かります。
帽子や日陰などを活用して、紫外線や熱中症への十分な対策を行っても、屋外であれば照度としては十分確保できます。
近視抑制のために必要な時間は照度によって変化しますが、1000Lux以上で2時間程度が目標と考えられています。
日中に外で2時間遊びましょうというのは、かなりハードルが高いですが、朝夕の通学に加えて、体育やお昼休みに外で過ごせば、かなり補えるはずです。
まずは、子供に少しでも外で過ごす時間を作ってあげるよう、そして勉強などの時でも室内をしっかり明るくするよう、親が意識してあげる事が大切だと思います。